○ メンタルヘルス不調と私傷病休職
私傷病休職制度は、法定の制度ではありませんが、多くの企業で導 入されています。
一般的な制度の要点は、以下のとおりです。
① 私傷病により一定期間就労に適さない場合に発令され
② 勤続年数に応じて設定された期間、休職することができ
① 私傷病により一定期間就労に適さない場合に発令され
② 勤続年数に応じて設定された期間、休職することができ
③ 休職期間満了までに復職できない場合には自然退職
従来、ケガや内臓疾患等が中心であった制度ですが、近年では、メ ンタルヘルス不調による休職が増加しています。
従来、ケガや内臓疾患等が中心であった制度ですが、近年では、メ
そうしたときに、次のような運用上の問題がトラブルの原因となっ ています。
① 仕事が原因のメンタルヘルス不調(労災)に適用している
② 復職後、短期間で再発した場合の休職期間通算規定がない
③ 復職の判定・手続き・復職後の対応が不適切
労災だった場合、労働基準法第19条の解雇制限規定がありますの で、休職制度がなくても必要な期間の休業が認められることになり 、休職期間満了による退職措置は、当然に無効となります。
① 仕事が原因のメンタルヘルス不調(労災)に適用している
② 復職後、短期間で再発した場合の休職期間通算規定がない
③ 復職の判定・手続き・復職後の対応が不適切
労災だった場合、労働基準法第19条の解雇制限規定がありますの
また、通算規定がない場合、復職と同時に休職期間がリセットされ
休職制度には「解雇猶予措置」の面もありますので、いたずらに長 期休職の繰り返しを認める制度は、会社にとっても、本人にとって も、不適切ではないかと思います。
そして、休職期間満了までに復職できない場合には退職となる制度 ですので、復職の判定がとても重要になります。
不十分な回復状況にもかかわらず復職させれば、病状の悪化を招き かねませんし、再休職の問題も出てきます。
十分な回復状況(軽微な業務からスタートして、ほどなく通常業務 へ復帰できる場合の配慮を含む)にもかかわらず復職させなければ 、退職の是非を争うことになりかねません。
結果、医師の判断にもとづいて復職の判定をすることになりますが 、主治医は、「労働者」としての治癒よりも、「患者」としての治 癒を最優先にした診断をしがちです。
そうしたとき、産業医がいる事業所はいいのですが、いない事業所 では、主治医とのコミュニケーションが課題となります。
その他にも、メンタルヘルス不調を巡る課題は少なくありませんし 、とても複雑です。
社会的な流れとしても、今後、不調者を出さないための予防措置、 そして、不調者が出てしまった場合の制度と運用の整備が、とても 重要になります。